今でも覚えている、ハロウィンの夜にポーチの三つ目の明かりを見たのはあの時が初めてだった
この通りではハロウィンの夜、昔からの決まりがあって、各家の玄関先にジャック・オー・ランタンを灯す、ただし灯すのは二つだけ。一つは大きめで、にやりと笑った顔を彫り、階段の一番上に置く、意味はトリックオアトリート歓迎、ドアは開いてるよ。もう一つは小さめで顔を彫らず、中をくり抜いてろうそくを灯しただけのものをポーチの一番端に置く、意味は遅く帰る人に明かりをともし、道がよく見えるように
二つの明かり、一つは迎え、一つは送り、それがこの通りの暗黙の了解。三つ目の明かりを灯す人はこれまで誰もいなかった
祖母は、それにはいわれがあると言った
その頃の私はまだ十歳くらいで、ハロウィンの夜には祖母のジャック・オー・ランタン彫りを手伝っていた。祖母はとてもゆっくり彫っていて、ナイフを目印に沿って少しずつ進めながら、途切れ途切れに昔話をしていた
よく覚えておきなさい、と祖母は言った、ハロウィンの夜、ポーチに灯す明かりは二つだけだよ
どうして、とその頃の私は何にでも聞きたがった
祖母は手に持ったナイフを止め、顔を上げて私をちらりと見た、少し遠い目をして、伝説では、顔を彫ったあの明かりはランタンを持った人のためにあるんだよ、その人は何年になるかわからないほど人の世をさまよい、天にも地にも行けず、ただランタンを持って歩いても歩いても、家へ帰る道を探している、その人のランタンが、まさに顔を彫ったやつなんだ
じゃあ……三つ目は
三つ目は、と祖母は彫り終えたカボチャにろうそくを入れ、炎がぽっと灯った、さまよう人のために灯すものだよ、その人がいつか夜にようやく道を見つけたら、この明かりを借りて一度灯して、家族に帰ってきたことを知らせるんだ、だから三つ目の明かりは人が灯すことは決してない、もし灯ったら、それは誰かが家に帰ってきたということ
その時の私はただの話だと思った、少し怖くて、少し温かくて、それでも重ねて聞いた、じゃあその人は見つけたの
祖母は答えず、ただ二つの明かりをポーチに置き、二歩下がって眺めた、見つかってほしいと願えば、きっと見つかる、明かりが灯っていれば、道はある
その年のハロウィンの夜、夜の前半はにぎやかだった。子供たちの群れがいろいろなコスチュームでトリックオアトリートに来て、玄関のベルが鳴りやまず、祖母は笑いながら一人ひとつかみのキャンディを渡した。通りにはジャック・オー・ランタンが一斉に灯り、オレンジ色の光が各家の玄関先を照らし、空気にはろうそくと秋の落ち葉が混ざった匂いがしていた
夜の後半、人波が引いて通りは静かになった。私はポーチの階段に座り、膝を抱えて、通りの向かい側で最後のトリックオアトリートの明かりも消えるのを見ていた。風が少し冷たくて、あくびをし、家に戻ろうとした
振り返ろうとしたその時、視界の端にポーチの一番端が映った——顔を彫らない小さな明かりの隣に、いつの間にか小さな光が一つ増えていた
私は固まり、はっと振り返った
ポーチには二つの明かりが置かれている、顔を彫った大きなカボチャと、顔を彫らない小さな明かり。でも二つの明かりの間、ポーチの壁際にぴったり寄り添って、三つ目の明かりが灯っていた
それはとても小さなジャック・オー・ランタンで、オレンジ色で、顔も彫っておらず、炎が静かに揺れていた。とても安定して灯っていて、揺れず、点けたばかりには見えず、むしろもうずっと長いことそこに立っているかのようだった
私は物語の中のようには怖くなかった。頭に浮かんだのは祖母のあの言葉だった、もし灯ったら、それは誰かが家に帰ってきたということ
私は階段に立ってその灯りを長いこと見つめていた、風が戸口から吹いてきて小さな炎がふるりと揺れまたまっすぐに立った、通りは静かでハロウィンの夜の喧騒は潮が引くように消え去り残っているのはこの小さな光の塊と涼しいのか暖かいのかわからない風だけだった
どうすればいいのかわからなかった、祖母のことを思い出した、灯りを彫っていたときのあの言葉を思い出した、探したいと願えば見つかるものだよ、しばらく考えてからその灯りには触れず家にも駆け戻らずただそこに立ったまま小さな声で言った
もし見つけたならもう少しだけ灯っていて、道がまだ遠いなら明日もまた残しておけるから
言い終わって自分でも少し照れてしまった、誰に言ったのかもわからない、それでもあの灯りは炎が少しだけ明るくなった気がした
その夜部屋に戻ってベッドに横になり三つ目の灯りのことを考えた、灯りを提げて二百年さまよっている人のことを考えた、この道のりで同じようにたくさんのポーチやたくさんの二つの灯りに出会いながらずっと三つ目を待てずにいたのだろうかと考えた
考えているうちに眠ってしまった
翌朝早く見に行った、ポーチには二つの灯りだけが残っていてどちらも消え蝋燭は燃え尽きカボチャは少ししなびていた、三つ目の灯りはそこになく跡形もなかった
昨夜もう一つ置いたのかと祖母に聞いた、祖母はポーチの下でカボチャを片付けていて顔も上げずに言った、いいや二つだけ置いたよ
でも昨夜は三つ見えたよ
祖母の手が一瞬止まりそれから顔を彫った大きなカボチャを抱え上げて裏返し私に向かって笑った
それじゃあ今年は願いが届いたのかい
私は一瞬言葉に詰まりそれから言った、届いたよ
祖母はもう何も言わずただその二つのカボチャを家の中へ運びながら風のように軽い一言を残した
それならよかった、灯りをともせば道はある
それから何年も私は毎年ハロウィンの夜に祖母の灯り彫りを手伝い二つをポーチに並べた、三つ目の灯りが現れることはもうなかった、それでも毎年彫り終えてポーチの階段に腰かけるときポーチの端の隅に目をやった、そこは静かで顔を彫らない小さな灯りと一面の秋があるだけだった
あの三つ目の灯りはきっと家に帰ったのだと思う、彼の代わりに家を見つけ彼の代わりに一度灯り通りに教えた、灯りを提げて二百年さまよった人がついに道を見つけたのだと
彼がどこへ行ったのかは誰も知らない、でもこれから先どのハロウィンの夜にもあの二つの灯りをともすとき私は心の中にもう一言を残しておく、まだ道の途中にいるかもしれないあの人に向けて
急がなくていい、灯りはちゃんと残してあるから、ポーチにはいつだってあなたの場所がある
見つけたときに灯ればいい



