ドラキュラ的なゴシックホラーとはまったく別物。エドワードとベラには血も牙もマントもない。あるのはグレーのダブルブレストコート、フランネルシャツ、キャンバスシューズ、そして「霧の森を走ってきたばかり」という疲れた雰囲気。映画の衣装デザイナー、ウェンディ・チャックは、エドワードのスタイルは「ダークでシャープな感じから遠ざけ」、「クラシックなモダン感」を追求し、グレーが良い媒体だと言っている。

だから必要なのは「ヴァンパイアセット」ではなく、2008年のフォークスという小さな町から歩いて出てきた二人の姿。

エドワード:あのグレーのコートが魂、ヴァンパイアの牙じゃない

もし何かひとつだけ買うなら、グレーのダブルブレストピーコート。エドワードのルックで最も象徴的なアイテムで、映画の中のシルエットを決めている。ウール混紡の質感で、ミディアムグレーからダークグレーを探して。着るときはボタンを留めずに羽織って、中に着たブルーのシャツとジーンズを見せる。そんな「適当に羽織って出かける」ような抜け感が出る。

インナーはミディアムブルーの長袖シャンブレーシャツに、ダークなストレートジーンズ。スキニーでも、だぶだぶのものでもダメ。エドワードのスタイルは「清潔だけど実用的」で、「普通の高校生に溶け込もうとするヴァンパイア」のよう。

髪は服より大事。エドワードの髪はブロンズ色で、乱れていて、ボリュームがある。自分の髪が足りなければ、エドワードのウィッグを買って、ヘアワックスやスタイリングスプレーで「森から出てきたばかり」の乱れを作る。乱れが肝心で、きれいに整えてはいけない。

肌には、自分の自然な肌色より1〜2トーン明るいルースパウダーを薄くひと刷け。道化師みたいに白くしないこと。それから頬骨の下と目のくぼみに冷たいトーンのシェーディングを少し入れて、「寝不足の陰鬱な感じ」を作る。「ヴィーガンヴァンパイア」の金色の目が欲しいなら、琥珀色かゴールドのカラコンを。もし「飢えた状態」なら、黒いカラコンを。

よく挙がる加点ポイント:首と顔に極細のボディラメをほんの少し。エドワードは日光の下で「キラキラ」する。このわずかなラメが照明の下でその効果を捉えるけど、ごく軽く、肌本来のツヤに見えるように。ラメを塗った感じではなく。

ベラ:彼女のスタイルは「レイヤード」であって、「可愛いワンピースを着る」ことではない

ベラの映画での普段のルックは実にシンプルで、ちょっと「適当」ですらある。でもその「適当」には公式がある。

公式は:一着重ねてもう一着、そこにストレートジーンズとキャンバスシューズ。半袖のチェックシャツを長袖のウェブニットシャツの上に重ねるか、ゆったりしたチェックシャツをインナーの上に直接かぶせて、下はローライズのブーツカットジーンズ、足元はキャンバスシューズかハイキングブーツ。衣装デザイナーのウェンディ・チャックは、ベラの服は「小さいけれど頼りになる」、「カプセルワードローブという言葉が生まれる前からあるカプセルワードローブ」だと語る。

色に関して、ベラが最初に登場したときは「アリゾナから来た暖色系」。エドワードに近づくにつれて、色は徐々に紫とグレーへと変わっていく。ウェンディ・チャックの言葉は「彼女がエドワードにどんどん近づくにつれて、私は彼女をもっと紫とグレーの中に入れていった。これは私のアイデアで、彼女に弧を描かせた。まるで融合、魂のつながりのように」。

だからベラとエドワードが並んで立っているビジュアルが欲しいなら ベラの服はグレーや紫、寒色系に寄せて エドワードのグレーのコートと呼応させる

ベラの象徴的な小物はリンゴ(最初の授業の小道具)かシンプルなシルバーのネックレス ブレイキング・ドーン以降の路線なら赤いカラコンを着けて髪をアップにまとめ ダークカラーの体にフィットした服を着る それがヴァンパイアになった後のベラ

写真を映画みたいにする2つのこと

第一に シーンは衣装より大事 霧の小道やシダが茂る森 あるいは曇りの午後を探す エドワードのスタイルは灰緑の森の背景では生き生きとするが 室内の照明ではかえって平凡に見える

第二に ボディランゲージ エドワードのポーズは少し猫背で 視線は真剣 手はコートのポケットに入れる ベラは少しぼんやりしていて でも視線はずっとエドワードを追っている 写真を撮るときはあまり嬉しそうに笑わない 陰鬱だけど愛し合っているのがトワイライトの雰囲気

最後に

トワイライトカップルのコスチュームの価値はヴァンパイアらしさではなく あの2人らしさにある

グレーのコートと 重ね着したチェックシャツと キャンバススニーカー 尖った牙もマントもハロウィンの小道具もいらない 必要なのはワシントン州のいつも雨が降っている町から歩いて出てきたような雰囲気

エドワードとベラが並んで立つと 自分たちが何をしているのか分かっていない若者2人みたいに見える だからこそ何年経っても彼らを演じたいと思う人がいる